ビーガンやベジタリアンはタンパク質不足?菜食で要注意のプロテイン

豆を見つめるお年寄りの男性

お肉やお魚など、動物性の食材を使用しないビーガンやベジタリアンなどの菜食料理。

料理から動物性食材を取り除くこと自体は難しいことではありませんが、菜食を実践したり、菜食主義者をもてなす際に気をつけていただきたいのが、タンパク豊富な食材を取り入れることです。

タンパク質は身体にとって最も大切な栄養素の一つで、いかなる食生活においても欠かすことのできない栄養素です。

しかし、菜食の専門的な知識がないと、単に「通常のレシピから肉や魚を抜きました」というような、タンパク質の低いビーガン・ベジタリアン料理になってしまいます。

そこで今回は、菜食主義者をもてなす際には必ず知っておいてほしい、”ビーガンのタンパク源”について解説します。

ビーガン(菜食)でも大切なタンパク質

スーパーの野菜コーナー
まず知っておいていただきたいのが、どんな種類の食生活を実践するにしても、糖質(炭水化物)・タンパク質・脂質の”マクロ栄養素”のバランスが重要になるということです。

その中でもタンパク質は、私たちの筋肉や肌、髪の毛や爪、さらには内臓までもを構成する原料となっていて、私たちの身体に欠かすことのできない栄養素です。

タンパク質不足で体調不良も

そんなタンパク質が不足すると、肌や髪のトラブルだけでなく、免疫力の低下などにもつながり、身体の様々な機能に悪影響をもたらします。

供給源としてはお肉やお魚、卵など、動物性の食材が代表的なタンパク質ですが、植物しか口にしないビーガンやベジタリアンにとっても、タンパク質を十分に摂取することはとても大切です。

必要な栄養素は雑食も菜食も同じ

にも関わらず、菜食の専門家のいない飲食店などでは、タンパク質含有量などの栄養面があまり重要視されていないのベジタリアンメニューもよく見かけます。

“植物性食材のみ”というだけで健康的なイメージがあるため、「野菜だけの料理にそもそも栄養面での懸念点が思い浮かばない」ということもあると思いますが、栄養に関する正しい認識を持って、栄養の過不足がないように気をつける必要があります。

実在する菜食メニュー失敗例

パンと野菜

タンパク質への配慮が行き届いていないレシピのわかりやすい例として、都内の飲食店で実際に”ベジタリアン・ビーガンメニュー”として提供されているメニューを取り上げてみます。

  • A店:レタスにトマト、玉ねぎなどのフレッシュ野菜に、アボカドたっぷりのベジタリアンサンドイッチ
  • B店:お肉の代わりにワカモレ(アボカドディップ)を入れたビーガンブリトー

一見どちらも健康そうに思えますが、タンパク源が欠如したメニューであることにお気づきでしょうか?

低タンパクになりがちな菜食メニュー

上記の例はふたつとも、ベジタリアン・ビーガンメニューであることは間違いありません。

ですが、ハムや鶏肉、牛肉や魚介類などの高タンパク食材の代わりに、低タンパクなアボカドを使用していて、料理全体の栄養価で見るとタンパク質が著しく少ないメニューになってしまっています。

そもそも低タンパク食ではない菜食

「肉を食べない菜食は、そもそも低タンパク食でしょ」というイメージを持っている人もいますが、食事療法における場合を除いて、ビーガンやベジタリアン実践の目的は摂取タンパクの低減ではありません。

通常の食生活において主要タンパク源となっている、動物性の食材を使わないビーガン・ベジタリアンの献立では、タンパク質への配慮は特に重要となります。

栄養から考える菜食メニュー

五穀米ご飯のランチ

「ビーガンやベジタリアンのレシピを考えるか!」となったとき、まず初めに考えるのは、”動物性のものを抜く”こと、そして、”肉などの代わりに野菜の量を増やす”ということだと思います。

もちろんファーストステップはそれで間違いありませんが、これに加え、タンパク質含有量の多い植物を意図的に取り入れることが、身体に良い菜食料理を作るためのポイントです。

単なるオシャレでは痛い目を見る菜食

「今日のランチは野菜だけに」といった、オシャレ感覚で時たま菜食を実践する人にとっては、ビーガンメニューが低タンパクでも問題はありません(普段は肉や魚から十分なタンパク質を摂取しているため)。

ファッション感覚で一時的に菜食料理を食べるのであれば、見た目と味さえ良ければいいのですが、根本的に体質を改善したかったり、フルタイムでビーガン・ベジタリアンを実践するのであれば、タンパク質をどこから摂取するかはしっかり計算しながら献立を考える必要があります。

また、自分は実践しなくとも、海外からガチ菜食主義のゲストを招く際などには、単に肉・魚抜いたような、タンパク質が欠如している菜食メニューはあまり喜ばれません。

栄養価にも詳しい菜食実践者

また、菜食の実践者には栄養学を勉強している人も多く、菜食主義者をもてなす際、料理を見て「この栄養素が足りない」ということに気づかれることもあります(もてなす側からすると大変厄介な話です)。

もしあなたが飲食店の経営者など、「ベジタリアンメニューを導入!」となった際には、このような客層がメインターゲットとなることも頭に入れ、味やインスタなどの写真うつりだけでなく、栄養面にも配慮したものを提供することが大切です。

面倒な話だとは思いますが、逆に言うと、タンパク質など栄養のバランスさえ整っていれば健康的な菜食実践が可能ですし、ゲストからも「この人(このお店)わかってるな〜」といった高評価をもらえる可能性が高くなります。

タンパク源として便利な豆類

いろんな種類の豆

ビーガンやベジタリアンの料理において、お肉やお魚に代わるタンパク源として活躍してくれる代表的な食材と言えば、豆類です。

豆類には、一般的な野菜と比較してタンパク質が圧倒的に多く含まれていて、ビーガンにとって超大切なタンパク源として重宝されています。

タンパク質含有量が多い植物一覧

豆類が中心になりますが、タンパク質が多くて菜食料理に便利な食材には、以下のようなものがあります。

リストは、グラム当たりのタンパク質含有量が多い順に並べています。

食材 タンパク質/100g
テンペ 18g
納豆 17g
大豆 16g*(35g**)
枝豆 11g
レンズ豆 9g*(26g**)
インゲン豆 9g*(24g**)
ひよこ豆 9g*(19g**)
そら豆 8g*(26g**)
エンドウ(グリンピース) 8g*(25g**)
ささげ 8g*(24g**)
黒豆 8g*(21g**)
小豆 8g*(20g**)
木綿豆腐 7g
キヌア 5g*(15g**)
絹ごし豆腐 5g

*茹で後100gあたりのタンパク質量
**茹で前(乾燥時)100gあたりのタンパク質量

菜食レシピを考案する際には、このリスト内にある食材を、タンパク源として積極的に取り入れることをオススメします。

便利でも、使いすぎに注意の大豆

数ある豆類の中でも大豆は特に有名で、日本では「畑の肉」と呼ばれるほどタンパク質を豊富に含んでいます。

また、大豆そのものだけでなく、大豆を原料にした納豆やテンペ、豆腐なども、植物性のタンパク食材の上位にランクインしています。ちなみに、枝豆も未成熟な大豆です。

海外では大豆による健康懸念も

タンパク質も豊富で、日本では健康的な食品として定着している大豆ですが、意外なことに欧米諸国では、豆腐などの大豆食品による健康被害を懸念する意見も多く存在します。

大豆アレルギーの人も日本より多いので、海外からのゲストを意識した菜食メニューでは、レンズ豆やインゲン豆、ひよこ豆など、大豆以外の高タンパク食材を積極的に使用するよう心がけましょう。

ナッツ類も高タンパク

また、上記の食材の他に、ナッツ類にも比較的多くのタンパク質が含まれています。

代表的なものは以下です。

食材 タンパク質/100g
アーモンド 21g
ピスタチオ 20g
カシューナッツ 18g
くるみ 15g
マカダミアナッツ 8g

これらナッツ類には、タンパク質だけでなく、菜食で不足しがちなオメガ3脂肪酸も豊富に含んでいるものも多く、積極的に取り入れたい食材のひとつです。

ビーガンとオメガ3脂肪酸の記事はこちら

菜食料理のタンパク質必要量

たくさんのくるみ

さて、タンパク質豊富な植物がわかったところで、それらの食材をどれくらい使えば良いのかも、確認しておきましょう。

まず、私たち人間が一日に必要なタンパク質量(g)の目安は、”体重(kg)× 0.8″で計算できます。

必要タンパク質は一日約50g

もし、あなたの体重が平均的な60kgの場合、

60(体重)× 0.8 = 48(必要なタンパク質量)

となります。

単位はグラム(g)で、体重60kgの人の場合、一日あたり48gのタンパク質が必要ということになります。

一日納豆6パック分

この48gのタンパク質を、高タンパク食品の納豆で計算すると、1日で約6パック分のタンパク質になります(納豆1パック(約50g)に約8gのタンパク質)。

1日3食として、納豆だけからタンパク質を摂取した場合、一食あたりに納豆2パックを食べると、摂取量目安に届く計算になります。

1食あたり10g前後のタンパク質を追加

ただし実際には、米やパスタなどの主食、ブロッコリーやほうれん草などの緑黄色野菜、マッシュルームなどのきのこ類など、植物性でもほとんど全ての食材にタンパク質が含まれています(少量ですが)。

もちろん体の大きさによって必要なプロテイン量には差がありますが、豆以外のこれらの食材からも必要量の半分近くを摂取できると考えられるので、一食あたり、納豆1パック強(約10g)ほどのタンパク質を追加すると理想的と言えるでしょう

まとめ

いかがでしたでしょうか?

今回は、ビーガンやベジタリアン料理となるとついつい不足してしまいがちな、”植物のタンパク源”についてお伝えしました。

ビタミンやミネラル、抗酸化物質などが豊富で、様々な健康効果をもたらしてくれる野菜ですが、その他に不足してしまっている栄養素があると、これらの恩恵も受けることができません。

ビーガンやベジタリアンは、普通に食べて入ればビタミンやミネラルはたくさん摂取できる食生活(ビタミンB12を除く)ですが、タンパク質をどこから得るかは少し計画的に考える必要があります。

日本ではまだまだ正しい理解が浸透していない菜食主義の栄養学ですが、菜食実践を考えている方も、菜食主義のゲストをおもてなしする方も、ぜひこの記事の情報を参考にしてみてください。

1 個のコメント

  • 菜食主義生活を数年やってみて体調が良くならなくて、後から検索で気付いたことだけど、豆類全般は特に懸念レベルを超えて危険な植物毒問題の事が見逃されてる。解決法は有るけど、市場に普通に売っている「とうふ類や豆料理、豆乳製品」は全て食べない方が安全。納豆も万能食品では無い。その他の種食品や野菜も植物毒問題は解決されて無い。生野菜を食べるサラダは健康とは関係ないし、むしろ害が多い。大豆アレルギーと植物毒は直接関係無い。菜食主義者にとって一番の問題が植物毒の解決。

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