ヴィーガンやベジタリアンはタンパク質不足?菜食主義でプロテイン欠乏を防ぐコツ

豆を見つめるお年寄りの男性

常になんらかの栄養不足への懸念がつきまとう、ヴィーガンやベジタリアンなどの菜食主義者。

そんな中でも特に、動物性食品に豊富なタンパク質(プロテイン)は、植物だけではどう頑張っても不足しそうですよね。

実際に、お肉やお魚は地球上で最も優れたタンパク源と言っても過言ではなく、アミノ酸バランスなどの観点からも、植物性食品より優れていることは間違いありません。

ただ、だからと言ってヴィーガンやベジタリアンは絶対タンパク質が不足するかというと、全くそんなことはありません。

今回は、植物性タンパク質(プラントプロテイン)の特性や、タンパク源を植物性だけに頼る際の注意点、そして、ヴィーガンでも質の高いタンパク質を摂取するためのコツなどをお届けします。

タンパク質の役割と不足による症状

植物した食べないヴィーガンが不足しがちなタンパク質
私たちの筋肉だけでなく、肌や髪の毛、爪、内臓など、身体のあらゆる部位を構成するタンパク質(プロテイン)。

それ以外にもタンパク質は、免疫機能や神経伝達、ホルモン分泌などにも重要な役割を担っていて、私たちの健康的な生活に欠かすことのできない重要な栄養素です(論文1, 論文2, 論文3, 論文4, 論文5, 論文6, 論文7)。

動物性に代表されるタンパク質食品

そんなタンパク質が豊富な食材の代表格はやはりお肉で、動物性食品を口にしないヴィーガンやベジタリアンはタンパク質が足りないというイメージも強くあります。

タンパク質以外にも、ビタミンB12やオメガ3脂肪酸など、常になんらかの「栄養失調」のワードがつきまとう菜食主義者。

実際のところ、健康的な生活に必要な栄養素を植物だけで摂取するのは、なんでも食べる普通の食生活よりも難易度が高いのは事実で、注意を怠ると日常生活に支障をきたす可能性もあります。

「そもそもタンパク質ってそんなに重要?」と感じる方もいるかもしれませんので、まずは、タンパク質不足が身体にどのような影響を及ぼすのか、確認してみます。

タンパク質不足による健康被害は?

タンパク質やプロテインと聞いて、まず一番に思い浮かぶのは「筋肉」だと思います。

こうした印象から、タンパク質は「筋トレする人たちのもの」と軽視してしまいがちですが、プロテイン不足が悪影響を及ぼすのは筋肉だけではありません。

タンパク質不足によって引き起こされる可能性のある症状として、主に以下の4つが考えられます。

  1. 筋力の低下
  2. 肌や爪、髪の毛のトラブル
  3. 免疫機能の低下
  4. 骨密度の低下

それぞれの症状について、詳しくみてみます。

TokyoVeganのおすすめヴィーガンプロテイン

様々な植物性プロテインが購入可能ですが、マイプロテインのえんどう豆のプロテインがおすすめです。

植物性プロテインではソイ(大豆由来)が主流ですが、納豆や豆腐など、大豆成分は日常の食生活からも日本人は比較的多く摂取しています。

後述するように、タンパク質は必須アミノ酸のバランスが鍵となります。アミノ酸バランスを整える意味でも活躍してくれるのが、このピープロテイン(えんどう豆)です。

マイプロテインはイギリスの有名ブランドで、トップアスリートだけでなくヘルスコンシャスな方への日常的なタンパク質補給にも適しています。

タンパク質不足で筋肉が落ちる?

タンパク質不足のヴィーガンは筋肉が落ちる?
筋肉を増強させるためにはタンパク質(プロテイン)が欠かせないことはみなさんご存知の通りですが、タンパク質が必要なのは筋トレをする人たちだけではありません。

タンパク質が不足すると、筋肉が成長しないだけでなく、日常生活に必要な筋力の低下をも引き起こしてしまう可能性があります(論文8, 論文9, 論文10, 論文11)。

筋肉が必要なのはトレーニングだけじゃない

「プロテインは大事」と言われても、多くの人が「私は筋トレしてないから別に大丈夫」と考えがちです。

ですが、普段の歩行や階段の昇り降りなど、筋肉量の減少は日々の生活のいたるところに影響を及ぼす可能性があり、筋力低下によって「疲れやすい」「力が入らない」などの症状に繋がる可能性もあります。

もちろん疲労感などの背景には、タンパク質以外の様々な栄養素や、睡眠などの生活習慣も大きく関係しています(論文12)。

ですが、ヴィーガンなどを始めてから体力低下を感じるようになった場合には、普段食べているものからしっかりとタンパク質を摂取できているか、一度確認してみるといいかもしれません。

タンパク質不足で肌や爪、髪のトラブルに?

タンパク質不足による髪や爪、肌のトラブル
タンパク質は、皮膚や爪、髪の毛を構成する材料になっていて、美肌に欠かせないコラーゲンの原料もこのタンパク質です(論文13, 論文14)。

プロテイン不足によって、筋肉のみならず、お肌や髪、爪などの健康状態にも悪影響が出てくる可能性があります(論文8, 論文15, 論文16, 論文17)。

タンパク質不足で髪や爪が脆くなる?

タンパク質摂取が不十分な状態が続くと、例えば、肌がカサついたり、髪の毛が細くなったり、爪が脆くなったりすることが可能性として考えられます(論文16, 論文17)。

髪の毛や爪、お肌などのトラブルには、鉄分やビタミンなど他の栄養素も関係していて、もちろんタンパク質不足だけが原因ではありません(論文17, 論文18)。

ただ、食生活をヴィーガンやベジタリアンに変えて、「肌の調子がよくない」とか「髪が細くなった」「爪が柔らかくなった」などの変化を感じたら、タンパク質が不足していないかもチェックしてみると良いかもしれません。

タンパク質不足で免疫機能が低下する?

タンパク質不足による免疫機能の低下

筋肉や肌、爪や髪の毛の健康を左右するタンパク質ですが、私たちの免疫機能とも深く関連している栄養素です。

意外に感じるかもしれませんが、タンパク質不足による免疫機能の低下の可能性は、いくつもの研究で示唆されています(論文3, 論文4, 論文19, 論文20)。

タンパク質不足で風邪を引きやすくなる?

ある研究では、「プロテインの摂取量が著しく低いと、通常よりもインフルエンザの症状が悪化する」という可能性も示唆されていたり(論文21)、タンパク不足によって、風邪をひきやすくなったり、風邪が治りにくくなったりすることも考えられます。

もちろん免疫機能に関しても、タンパク質以外にも様々な要素が関係していますので、「タンパク質をとれば風邪を引かなくなる」という訳ではありません。

ですが、ヴィーガンになった後に「風邪を引きやすくなった」とか「風邪が長引くようになった」などと感じる場合には、タンパク質が足りているかも一度気にしてみると良いかもしれません。

タンパク質不足で骨折しやすくなる?

「骨といえばカルシウム」というイメージですが、意外にも、タンパク質の摂取不足によって骨が弱くなる可能性も示唆されています(論文22, 論文23, 論文24)。

もちろん、骨の健康にはカルシウムやビタミンDなどの栄養素が欠かせませんが、タンパク質の摂取量を増やすことで骨折のリスクが低下する可能性を示した研究もいくつかあります(論文25, 論文26)。

その他様々な健康被害も?

筋肉だけでなく、髪の毛や爪、免疫機能、さらには骨の健康にも関わっているタンパク質。

上記以外にもタンパク質は、ドーパミンやセロトニンなどの神経伝達にも重要な役割を担っていて、脳の働きや気分などにも関わっています(論文27)。

心身ともに健康に生活するのに欠かすことのできないタンパク質は、ヴィーガンやベジタリアンなどの菜食主義者に限らず、どんな食生活の人でも十分な摂取を心がけるべき栄養素と言えます。

ヴィーガンはタンパク質不足なの?

タンパク質の少ないヴィーガン向けのサラダ
上述の通り、とても大事な栄養素のタンパク質ですが、動物性食品を一切摂取しないヴィーガンは、果たしてどんな食材からタンパク質をとれば良いのでしょうか?

そして、本当に植物だけで、健康的な生活を送るために十分なタンパク質の摂取が可能なのでしょうか?

植物性にもタンパク質は豊富だが…

実際、タンパク質を含む、人間に必要な栄養素の全ては植物からも十分に摂取可能であることは、栄養学的にも証明済みではあります(論文28, 論文29, 論文30, 論文31, 論文32)。

ですが、植物性タンパク質の特性(弱点)も正しく認識しておかないと、体内で効率よくタンパク質が使われず、「タンパク質をたくさんとっているはずなのに…」なんてことになるかもしれません。

ここからは、ヴィーガン向けの高タンパク食材のリストに加え、植物性食品から良質なプロテインを摂取するために大切な、植物性タンパク質の特性をみていきます。

ヴィーガン向け植物性タンパク源

まず、動物性食品を一切口にしないヴィーガンは、どのような食品からタンパク質を摂取できるのか、含有量の多い食材をランキング形式で確認してみます。

食材 タンパク質
かぼちゃの種 26.5g
ピーナッツ 25.4g
アーモンド 20.3g
ひまわりの種 20.1g
チアシード 20.0g
カシューナッツ 19.8g
納豆 16.5g
オートミール 13.7g
枝豆(茹で) 11.5g
そら豆(茹で) 10.5g

含有量は100gあたりで、数値は全て日本食品標準成分表より。

ヴィーガンが食べられる植物性食品でも、かぼちゃの種などのシード類やピーナッツなどのナッツ類、納豆などの豆類、オートミールなどの穀類を中心に、タンパク質が豊富に含まれています。

上のリストにないものでも、茹で落花生に11.9g、高野豆腐(水煮)に10.7g、木綿豆腐に7gのタンパク質が含まれます(いずれも100gあたり)。

また、緑黄色野菜のブロッコリーにも、100gあたり4.3gのタンパク質が含まれていて、植物性だけの食生活でも幅広い食品からプロテインを摂取できます。

総量よりアミノ酸バランスが大切?

ヴィーガンにとって嬉しいタンパク質豊富な豆類などの食材

ただ、これだけでは「ヴィーガンでもタンパク質は問題なし」と言い切れない部分もあるので要注意です。

上のリストでは、単に「タンパク質◯グラム」しか記載されていませんが、ここからはタンパク質の質(クオリティー)についても見てみます。

タンパク質は20種類のアミノ酸の集合体

ご存知の方も多いかもしれませんが、タンパク質というのは20種類のアミノ酸の総称で、それぞれのアミノ酸が様々な役割を持って体内で働いています。

この20種のアミノ酸のうち、9種類は必須アミノ酸と呼ばれ、食事などを通して「外から絶対に摂取しなくてはいけない栄養素」に位置付けられています(論文33)。

9種類の必須アミノ酸

私たちの体内で合成(生産)することができない(食べ物から絶対に摂取しなくてはいけない)必須アミノ酸は、以下の9種類です。

  1. バリン
  2. ロイシン
  3. イソロイシン
  4. スレオニン
  5. メチオニン
  6. リジン
  7. フェニルアラニン
  8. トリプトファン
  9. ヒスチジン

これら9種類の必須アミノ酸はそれぞれに、筋肉の成長だけでなく、代謝や免疫機能、神経伝達やホルモン分泌などにも重要な役割を担っています(論文13, 論文14, 論文27, 論文34, 論文35, 論文36, 論文37, 論文38, 論文39)。

必須アミノ酸バランスがタンパク質のクオリティー

もちろん「プロテイン20g入り!」のように、たくさんタンパク質を含む食品は便利なタンパク源です。

ただ、そのタンパク質の中に「何種類の必須アミノ酸がどんな割合で入っているか」も重要で、必須アミノ酸がバランス良く含まれる食品の方が、より優れたタンパク源であると言えます。

植物性食品は劣等タンパク質?

動物性より劣る植物性タンパク質

植物にもたくさんタンパク質が含まれていることは先述した通り、明白な事実です。

それでも「ヴィーガンはタンパク質不足」と疑われ続ける理由は、単に植物性食品の「タンパク質が少なそうなイメージ」が原因でしょうか?

その真相を検証すべく、タンパク質の質(クオリティー)の判断材料となる必須アミノ酸の観点から、植物性タンパクを掘り下げてみます。

植物性は不完全タンパク質?

お肉やお魚などの動物性タンパク質には、基本的に9種類の必須アミノ酸が全て含まれており、完全タンパク質(Complete Protein)と呼ばれます。

一方で、植物に含まれるタンパク質は、9種類の必須アミノ酸のうち1つ以上が欠けていて、不完全タンパク質(Incomplete Protein)*と呼ばれます(論文40)。

植物がタンパク質をたくさん含んでいても「動物性よりも劣る」と言われる所以は、この植物特有の必須アミノ酸の欠如にあります。

※「欠けている」というのは「全く含まれない」という意味ではなく、極端に少ないという意味です。

アミノ酸スコア100の大豆は…

全ての植物が不完全タンパク質という訳ではなく、大豆やキヌア、蕎麦の実など一部の植物は、9種類全ての必須アミノ酸を含む完全タンパク質食品とされています(論文41)。

この中でも大豆は「アミノ酸スコア100」「畑の肉」などとも称され、植物性食品の中では特に優秀なタンパク源です。

しかしながら、そんな超優等生の大豆ですら、動物性食品と必須アミノ酸値で比較してみると、以下のようになります。

食品 メチオニン
鶏ササミ 297mg
大豆 151mg

タンパク質10gあたりの含有量。数値は日本食品標準成分表のデータを元に算出。

必須アミノ酸の一つのメチオニン含有量にフォーカスしてみると、大豆にはササミの約半分ほどしか含まれていません。

大豆は植物性では希少な完全タンパク食品で、しかも乾燥状態で33.8gもタンパク質を含み、鶏ササミ肉の29.6gをも上回る含有量です(日本食品標準成分表より)。

そんな大豆であっても、アミノ酸レベルで動物性と比較するとこのような弱点があり、これが「植物性タンパク質は質が悪い*」と言われる背景にあります(論文42)。

※トリプトファンなど、鶏ササミよりも大豆に若干多く含まれている必須アミノ酸もあります。

卵や乳製品を食べるベジタリアンは?

ちなみに、ヴィーガンは100%植物のみの食生活ですが、ベジタリアンは卵や乳製品を食べる食生活です。

ベジタリアンは卵などから動物性の完全タンパク質を摂取できるため、ヴィーガンと比較すると必須アミノ酸が欠如しにくい食生活と言えます。

組み合わせで必須アミノ酸強化

ナッツ、シード、豆、穀物でアミノ酸スコア強化
卵も食べない100%植物性なヴィーガンですが、実はあることに気をつけるだけで、動物性と同様に全ての必須アミノ酸をバランスよく摂取することが可能です。

その「あること」というのが、複数種類のタンパク食材を組み合わせることです。

食材間で補填し合える必須アミノ酸

基本的に「必須アミノ酸のどれかが欠けている」ことが特徴の植物性のタンパク質ですが、実は「どの必須アミノ酸が欠けているか」は食材ごとに異なります。

具体的には、豆類はメチオニンが少ない傾向にありますが、シードやナッツなどの種実類や穀類はメチオニンを含む食品です。

逆に、穀物や種実類(ナッツやシード)はリジンやスレオニンが少ない傾向にありますが、豆類はこれらを比較的豊富に含んでいます。

すなわち、単一食材だけに頼らず、豆やシード、ナッツや穀物など、様々な食品群からタンパク質を摂取することで、「お互いに欠けている必須アミノ酸を補うことができる」ということになります。

豆、ナッツ、シード、穀物から満遍なくタンパク質摂取

上の食品リストにあるように、植物性でもタンパク質が豊富であることは間違いありません。

ですが、「豆だけ」や「ナッツだけ」のように、ひとつの食品群から集中的にタンパク質を摂取していると、必須アミノ酸のどれかが欠けた不完全な状態になりがちです。

菜食主義ではこの点を認識し、多様な食材からタンパク質を取り入れることが、日々の食事から良質なアミノ酸を摂取するためのポイントとなります。

TokyoVeganのおすすめヴィーガンプロテイン

もちろん後述するような食材から意識的にタンパク質を摂取することが大切ですが、忙しくてどうしても不足しがちに…

そんな方におすすめなのが、手軽にいつでも飲めるピープロテインです。

マイプロテインはイギリスの有名ブランドで、トップアスリートだけでなくヘルスコンシャスな方への日常的なタンパク質補給にも適しています。もちろん100%植物性のヴィーガン対応で、グルテンフリー、ソイフリーです。

ヴィーガンが食べるべき4つの食品群

ヴィーガン向けタンパク源の豆、ナッツ、シード、穀物
豆類に加え、ナッツやシードなどの種実類、そして穀物の4種類から、満遍なくタンパク質を摂取する意識が欠かせないヴィーガンなどの菜食主義。

各食品群ごとにタンパク質含有量トップ5を確認し、これらの食材を積極的に食事に取り入れて、必須アミノ酸バランスを強化できるよう心がけましょう。

豆類

食材 タンパク質
大豆(蒸し) 16.6g
納豆 16.6g
レンズ豆(茹で) 11.2g
そら豆(茹で) 10.5g
ひよこ豆(茹で) 9.5g

含有量は100gあたりで、数値は全て日本食品標準成分表より。

先述した大豆以外でも、豆類は全体的にタンパク質が豊富な食品です。

リストにないものでも、高野豆腐(水煮)に10.7g、枝豆(茹で)には11.5gのタンパク質が含まれています(いずれも100gあたり)。

ただし、高タンパク質な豆類でも基本的には不完全タンパク質で、必須アミノ酸のメチオニンが少ないことに留意が必要です。

シード類

食材 タンパク質
かぼちゃの種 26.5g
亜麻仁 21.8g
ゴマ 20.3g
ひまわりの種 20.1g
チアシード 20.0g

含有量は100gあたりで、数値は全て日本食品標準成分表より。

かぼちゃの種やチアシードなどの種子類も、タンパク質が豊富な食品です。

豆類に欠けているメチオニンを補える一方で、シード類は一般的にリジンが少ない食品群であることに留意が必要です。

また、BCAA(分岐鎖アミノ酸)のバリンとロイシン、イソロイシン(いずれも必須アミノ酸)についても、タンパク質の総量の割に含有量が少ない傾向にあります。

ナッツ類

食材 タンパク質
ピーナッツ* 25.0g
アーモンド 20.3g
カシューナッツ 19.8g
ピスタチオ 17.4g
くるみ 14.6g

含有量は100gあたりで、数値は全て日本食品標準成分表より。

アーモンドなどのナッツ類も、ヴィーガンのタンパク源として便利な食品です。

リスト以外にも、ヘーゼルナッツに13.6g、マカダミアナッツには8.3gのタンパク質が含まれています(いずれも100gあたり)。

豆類に欠けているメチオニンを含む一方、リジンなどいくつかの必須アミノ酸が少ない傾向にあります。

また、ナッツは脂肪分も多い食材ですので、カロリーやオメガ6脂肪酸、飽和脂肪酸などの過剰摂取にも注意が必要です。

ピーナッツ(落花生)はマメ科に属しているため、豆に不足する必須アミノ酸(メチオニン)の補強には適していません。

穀類

食材 タンパク質
オートミール* 13.7g
キヌア* 13.4g
大麦(押し麦)* 10.9g
玄米* 10.1g
ひえ* 9.4g

含有量は100gあたりで、数値は全て日本食品標準成分表より。*は乾燥時の数値ですので、調理前の重量で計算してください。

オートミールや玄米などの穀物も比較的タンパク質が豊富な食材で、豆類に欠けているメチオニンが含まれる食品群です。

一方で穀類も不完全タンパク質であり、リジンやスレオニンなどが少ないことに留意が必要です。

また、調理すると水を含んでグラムあたりのタンパク質量が減少しますので、この点も踏まえて上の数値を参考にしてみてください。

※キヌアは茹で後の重量で100gあたり4.4gのタンパク質、玄米は炊いた後の重量で100gあたり2.7gのタンパク質になります。数値はUSDAより。

そもそもタンパク質の必要量は?

ヴィーガンにとって大切なタンパク源の豆

必須アミノ酸のバランスに気をつけることで、植物だけでも良質なタンパク質の摂取が可能であることは先述の通り。

では、1日にどれくらいの量を摂取すればいいのでしょうか?

厚生労働省によると、タンパク質は1日あたり女性50g、男性60g(いずれも20歳以上の成人)の摂取が推奨されています。

基本的には上記の推奨量を目安にタンパク質を摂取すれば問題ありませんが、他にも以下の二通りで、1日の推奨量を計算することもできます。

  1. 体の大きな人:体重 × 0.92(g)
  2. 運動をする人:体重 × 1.3(g)

より厳密にタンパク質の推奨量を知りたい方のために、もう少し掘り下げてみます。

体重で異なるタンパク質推奨量

体重によっても異なるタンパク質の必要量
厚生労働省は「みんな一律で◯g」という形でタンパク質の推奨量を定めていますが、国際的には個人の体格等に合わせて「体重1kgあたり◯g」という形で算出されることも一般的です。

当然ながら、個々の体重(体の大きさ)によってタンパク質の必要量は増減するため、この計算方法ではより正確なタンパク質必要量を知ることが可能と考えられています。

「体重1kgあたり」で考えた場合、日本人はどれくらいを目安にタンパク質を摂取すればいいのか、少し計算してみます。

体重1kgあたりのタンパク質推奨量

日本人の平均体重は、総務省によると、成人女性で53.2kg、男性で66.8kgです。

ここで、厚生労働省が定めるタンパク質の推奨量(女性50g/男性60g)が平均体重の人を基準にしていると仮定すると、

  • 女性:タンパク質 50g ÷ 体重 53.2kg = 0.94
  • 男性:タンパク質 60g ÷ 体重 66.8kg = 0.90

という計算ができ、体重1kgあたり約0.92gのタンパク質摂取が目安だと考えることができます。

※本サイトが独自に算出した参考値であり、厚生労働省が推奨するものではありません。タンパク質の1日推奨量を「体重 × 0.8〜1.3」とする研究が多く「0.92」は妥当な数値と考えられます(論文43, 論文44, 論文45, 論文46, 論文47)。

身体に合わせて増減するタンパク質推奨量

このように考えると、身体の大きさによってタンパク質の推奨量が増減します。

例えば、体重75kgの男性の場合、この算出方法に基づくと「75kg × 0.92 = 69g」となり、厚生労働省の推奨量+9gの数字になります。

その他、体重ごとに「× 0.92」で計算した場合の数値が以下です。

体重(男女共通) 参考値(体重 × 0.92)
40kg 37g
50kg 46g
60kg 55g
70kg 64g
80kg 74g

※本サイトが独自に算出した参考値であり、厚生労働省が推奨するものではありません。

基本的には厚生労働省の女性50g、男性60gで問題ないと思いますが、身体の大きな方など、タンパク質が足りているかどうか気になる方は参考にしてみても良いかもしれません。

運動量で異なるタンパク質推奨量

筋トレやヨガ、ランニングなど、運動する人はより多くのタンパク質が必要

身体の大きさ(体重)だけでなく、日々の運動量によっても異なるタンパク質摂取量が推奨されることがあります。

例えば、運動量が多く、身体への負荷も強いアスリートは「体重 × 1.8〜2.2」のタンパク質摂取がベストだと示す研究もあり(論文48, 論文49)、これは普通に生活している人の倍以上の推奨量になります。

アスリートはタンパク質が多く必要?

必要量に関しては様々な議論があり、競技種目や時期(メンテナンス期か増強期か等)でも異なりますが、アスリート向けには概ね「体重 × 1.3以上」のタンパク質摂取を推奨する研究が多く見受けられます(論文48, 論文49, 論文50, 論文51, 論文52, 論文53, 論文54, 論文55)。

ウエイトトレーニングやランニングなど、普段から運動をする方であれば、通常の「体重 × 0.92」よりも多めのタンパク質摂取を意識しても良いかもしれません。

※トップアスリートレベルの「体重 × 2.2」を摂取する必要性は高くないと思われますが、日常的に運動をする人は「体重 × 1.3」程度を目安に摂取するといいかもしれません。

アスリート向けタンパク質摂取量目安

研究によって推奨量に大きな幅のあるタンパク質ですが、アスリート向けの「× 1.3」で計算した数値が以下です。

体重(男女共通) 参考値(体重 × 1.3)
40kg 52g
50kg 65g
60kg 78g
70kg 91g
80kg 104g

※本サイトが独自に算出したものであり、厚生労働省が推奨するものではありません。

体重50kgの方は通常約46gくらいのタンパク質で十分だと考えられますが、アスリートであれば、同じ体重でも約65gの摂取が推奨されることもあります。

個人によって推奨量に幅があるタンパク質(プロテイン)ですので、自身の体型や生活スタイルに合わせて摂取量を調整することもポイントとなります。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

今回は、筋肉のもとになるだけでなく、身体の様々な部位を構成し、免疫機能や神経伝達などにも深く関係するタンパク質についてみていきました。

単一食材で見ると、動物性と比較して大きく劣る植物性のタンパク質ですが、それらの特性を知ることで、植物だけでも質の高いタンパク質を摂取することが可能です。

動物性食品を排除するヴィーガンやベジタリアンですが、ある特定の食材に偏ることなく、様々な種類の食材から満遍なくタンパク質をとるように心がけると良いでしょう。